宮古島のダイビング、「地形」以外にもおもしろさ

宮古島のダイビングは、自然が造り出した、変化に富んだ地形におもしろさがあることで知られています。宮古島は、島の周囲、そして近隣の下地島、伊良部島、すべてのエリアがダイビングスポットといっても過言ではありません。その中には「地形」とは少し違ったおもしろさを見せてくれる場所もたくさんあります。

また、シーズンにより風向きに違いがあるため、季節によってはダイビングに向かないエリアも出てきます。今回はシーズン的なことも含めて、宮古島周辺のダイビングエリアやダイビングスポットについてご紹介します。

季節別・宮古島ダイビングエリア

宮古島で「地形ダイビング」をする場合は通常、下地島・伊良部島エリアが中心になります。宮古島のダイビングでは、多くの場合、下地島か伊良部島エリアのダイビングスポットで潜ります。

「宮古島三大地形ポイント」と言われる「アントニオ・ガウディー」「魔王の宮殿」「通り池」というダイビングスポットは、すべて下地島周辺にあります。

ただ、この下地島・伊良部島方面は、冬場になると北西の季節風が吹き荒れ、時化のために行くことができないこともあります。そのため宮古島のダイビングでは、季節に応じて、メインで潜るエリアが変わっていきます。

春から夏

春から夏にかけては南西風が吹くことが多くなります。そのためメインで潜るエリアは、伊良部島周辺になります。この時期、水温は上がっていきますが、春先は23度前後と低水温のため、インナーを充実する必要があります。ドライスーツを着ても良いでしょう。

伊良部島エリア

例年5月から8月頃にメインになるエリアが「伊良部島エリア」です。この時期は東、もしくは南西からの風が吹きやすくなるため、風裏になりやすいこのエリアにあるダイビングスポットが中心になります。

このエリアの大まかな特徴はというと、やはり「地形」です。アーチや洞窟といった地形ポイントでのダイビングですが、平均的に浅い位置にあるので、初心者にとっても潜りやすいエリアだと言えるでしょう。

下地島エリア

下地島エリアは秋から冬にかけてメインとなり、既に皆様、ご存じの通り、「宮古島三大地形スポット」が集中しています。「自然の造形美」と言えば正しいでしょうか?自然が造り上げたさまざまな地形は、壮大であり、ドラマチックでもあります。北西の季節風が強くなり出すと行けないことが多くなるため、冬場は風裏にあたる宮古島の南岸がベストなダイビングエリアになります。

宮古島南岸エリア(冬)

宮古島南岸エリアは、季節風が強くなる冬場は風裏になるため、もっとも潜りやすいエリアになります。伊良部島や下地島エリアに行けない場合の代替え場所的に考えられがちですが、そんなことはありません。「牛さんこわいよう」という変わった名前のダイビングスポットは、40メートル超の荘厳な洞窟。その暗闇から「こわいよう」の名がついたと言われています。このエリアの「地形」には、伊良部島や下地島エリアとはまったく違う味わいがあります。

伊良部島エリアや周辺のダイビングスポット

春から夏にかけてベストシーズンを迎える、伊良部島周辺のダイビングスポットをご紹介します。

オーバーハングでウミガメに会えるかも

浅い場所で7メートル程度、最深部で30メートル程度のダイビングスポットで、ひさし状に地形が張り出していることから名付けられました。この「オーバーハング」は生物が豊富なことで知られていて、ウミガメと会える確率が高い場ポイントだと言われています。根回りを泳ぎ回る魚たちを眺めながら、どこかにウミガメがいないか、広範囲をチェックしてみましょう。

サージョンリーフ

「サージョンリーフ」も、オーバーハング同様に生物が多いダイビングスポットです。ちなみに「サージョン」とは「ナンヨウハギ」のことで、たくさんの「ナンヨウハギ」が泳ぎ回っていることから、この名前がついたようです。沖の深場は大物が現れる場所として知られていて、イソマグロやオニカマスの回遊に出会えるチャンスがあります。時折、ウミガメを目にすることもある、フィッシュウォッチング主体のダイビングスポットです。

クロスホール

「クロスホール」は、伊良部島エリアの地形ダイビングスポットです。ホールがクロスして見えることからこの名前がつけられたようですが、見方によってはいろいろな形に見えるため、自分なりに何の形に見えるか考えてみると良いかもしれません。

ダブルアーチ

「ダブルアーチ」は、宮古島のダイビングスポットの中でも上位にランクインするであろう、インスタ映えする場所です。2つのアーチが「ハート」に見える場所があることがその理由。水深も浅いので初心者でも楽しめるポイントです。あなたの「ハート」を探しに出かけてみてください。

L字アーチ

水深20メートルから30メートル付近にあるアーチ状の地形が「L字アーチ」。この周辺は大物の通り道になっていて、サメやエイがひんぱんに往来します。大物と遭遇したいなら「L字アーチ」は欠かせないダイビングスポットと言えます。

スネークホール

洞窟地形のスポット「スネークホール」は、神秘的な「青の洞窟」です。この洞窟の入り口は海中にあるため、「スネークホール」はダイバーだけが入ることのできる特別な場所なのです。また、「スネークホール」では、潮の満ち引きにより「霧」が発生します。この「霧」と神秘的な「青」は、自然がダイバーのためだけに贈るスペシャルなギフトです。

ハナダイの根

フィッシュウォッチングや根の周囲に潜むウミウシなどを探索するのに最適なダイビングスポットが「ハナダイの根」です。「ハナダイの根」は、その名前からも分かるとおり「ハナダイ」の仲間が群れ泳ぐ場所。視界に入るのは「アカネハナゴイ」「ハナダイ」たちの乱舞です。

根回りは「マクロ」好きのダイバーにおすすめ。カエルウオの仲間やウミウシの仲間を探してみましょう。このダイビングスポットは10メートルから20メートル程度と水深も浅いので、ダイビング初心者でも存分に楽しめます。

サシバ下

「サシバ下」は、水深7メートルから15メートルほどの場所にある、リーフまわりのポイントです。スズメダイの仲間が泳ぎ回り、フィッシュウォッチングに適しています。浅場のリーフでは「カクレクマノミ」を探してみましょう。「サシバ下」は水深が浅く、初心者におすすめですが、外洋からの潮通しがよく、時折イソマグロなどの大物が通りかかる、満足度の高いスポットです。

ツインホール

「ツインホール」は浅い場所で水深2メートル。シュノーケリングでも行けるスポットですが、浅すぎるがために波の影響を受けやすいスポットであるとも言えます。

洞窟入り口から差し込む太陽光は、洞窟内では青く光ります。このブルーを背景に泳ぎ回る小魚の群れが、このダイビングスポットのアトラクションです。

伊良部島周辺のダイビングスポットについて

春から夏にベストシーズンを迎える伊良部島周辺のダイビングスポット。全体的には初心者向けのスポットが集まっています。宮古島ダイビングの代名詞でもある「地形ダイビング」のスポットもありますが、規模的には小さめ。フィッシュウォッチングに適したスポットが多く、小魚から大型魚まで、さまざまな魚たちに接近するチャンスがあります。

透明度の高い宮古島でダイビング、エリアや季節で違った魅力

宮古島は珊瑚礁が隆起したことによりできた石灰質の土壌でできているため、水を通しやすく、大きな河川がありません。その恩恵で宮古島の海は高い透明度を誇っているのです。宮古島のダイビングエリアは季節により、その活動の中心が移動します。エリアにより特徴があり、そのどれもが魅力にあふれています。「地形」だけではない宮古島のダイビングスポット。ぜひ、その魅力を体験してください。